私の心が伝わらない。彼に会いたくない

あんなに好きだったのに、今は一緒にいることが辛くて、距離を取ってしまう。急に冷めてしまったように、心の中の彼の姿を追い出してしまいたいと願う。自分はとても非情な性格だと思う。ある日突然関わりたくないと心が叫び、彼にもう1週間くらい連絡を取らずにいる。

 

私は彼に尽くす事が少し楽しくて、毎回会うたびに2人の時間が楽しくなるようにお酒を持って行くようにしていた。彼が夕ご飯を全て準備してくれるので、その分の飲食費の名目としてそれ相応の値段のワインを用意するようにしていた。毎回こんなに色々してやってるのにとか、お金の負担などの変な気も使わせないように。彼はワインがとても好きだから、どんな銘柄でも喜ぶと知っていたから。毎日一本空けてしまうくらいだから。

 

選ぶワインは家の近くにはない銘柄で、彼が好きそうな物を選ぶようにしていた。飲み干してしまえば何も残らない。残るのは楽しかったなっていう気持ちだけ。飲めば気持ちもリラックスして、酔いながら浸れる心地いい2人の時間。

 

「もてなし」にはもてなしでお返しする。そんな気持ちを私は持ち合わせている人だと、彼にわかって欲しかった。茶の湯の心のように相手を思いやる心で作る世界というのは、人と人を深く結ぶ。その世界観はよりいい関係性をもたらしてくれる。

 

「茶は服の良きように点て」と彼と一緒にいる時は特に気にしていた。

 

彼の部屋に髪の毛一つも落とさないように事あるごとにコロコロをして、洗い物は彼が気にいる洗い方で、いびきがうるさいならもういっそう寝ないように夜は過ごし、いくら金欠でも休日をつくり彼との時間にあてる。

 

でもどうしてだろう、こんなにも好きなのに。一緒にいる事が最近は辛い。連絡すら取りたくない。できる事なら彼の前から何もなかったかのように、いなくなってしまいたいと思う。

 

多分、私は彼に期待しすぎてしまったんだと思う。彼からもっと尽くして貰いたかったんだと思う。彼から大事にされたかったんだと思う。

 

 

彼は表面的で掘り下げない話を好む。

 

私の聞き方や相打ちが悪いのかもしれない。

 

私に話しても仕方ないと思っているのかもしれない。

 

私は人の話を聞くのが好き。好きな物や事を語る人の話が好き。話を聞いてその人になりきって話を聞くと、小説を読んでいる時みたいにワクワクする。

実在する物語は、小説よりもさらに面白い。その人の人間性も含めると活字描写には敵わない五感の感動がある。

 

彼は語るのを嫌う。ある一定のラインにくると閉ざしてしまって、掘り進まない彼の話。その瞬間が何度もあって、その度に私は寂しくなった。

 

その度に私は必要ないって言われているみたいで、寂しかった。お前に喋る事などないって言われているみたいで、寂しかった。

 

彼が心を開いてくれるように、もっと甘えてくれるように、ずっと寄り添っているのに、彼は私にごはんとSEXしかくれない。

 

そう思うと、もう思考が停止してしまいそうになる。変な方向にしか考えられなくなる。

 

私が欲しいと思っている関係性が全く育まれていない現実と、寄り添い続けても私が欲しいと思う彼の価値観はいくら経っても、分けてもらえないんだと思うと、一緒にいる意味が分からなくなってしまう。

 

心で好きでも、どんどん居心地が悪く感じてしまう。自分の気持ちを言い合えない仲なんて、寂しくてしょうがない。

 

私がオープンになればいいと思った時もあった。自分が心を開けば相手も話しやすいと。

私は自分の仕事の事を語った。私の好きな和菓子の話。季節とお祝い菓子の話。家族の話、筋トレの話。

 

彼は興味を示さなかった。聞き下手だった。

 

また拒否された気持ちになった。凄く寂しかった。

 

私は未だに彼に連絡を取る踏ん切りがつかない。このまま埋め立ててしまおうか。何もなかったように更地にしてしまおうか。

 

 

彼にとっての私の存在って、60分15000円とかで売ってるんじゃないかな。